「先延ばし」に立ち向かうために
タスク管理の夜明け
自分はいい加減な人間だと思っていた。物事を先送りにするのは自分の正確によるものだと思っていた。だからタスク管理を始めた。管理をすることでこの問題が解決するのでは無いかと期待をしていた。でも、そんなことは無く、少しだけ物事がスムーズに動くようになっただけだった。
先延ばしにするのはメンタルや思考の部分がとても大きいと思う。朝起きるのがいやだなっと思ったら、朝はなかなか起きることができない。あれをしよう、これをしようと思っても、思考が入ると物事がうまく進まなくなる。なので、タスク管理システムにすべてをゆだねて、それ通り実行して思考が入る余地をなくそうというのが、佐々木正悟さんの「クラウド時代のタスク管理の技術」だと思う。
この本は実にすばらしく、タスク管理に磨きをかけようと何度も読み返し実行した。だがなかなかこれ通り実行できない。その原因はいくつかあるのだが、やはり思考の問題は大きかった。緊急の仕事で、ほかのタスクを先延ばしにするたびに「またか・・・」という思考が、そのタスクから目を背けさせていた。今やるべきかという思考がジャマしてやり始めないこともあった。自分の環境では、すぐに管理システムにアクセスできないのも、問題だった。いくつかの問題がある中でも試行錯誤を繰り返して、少しずつコントロールすることを増やしていった。
でもある程度コントロールできるようになったときに、ふと佐々木さんのようにシステムとして厳密でなくていいやと思った。先延ばしは必ず発生してしまうから別のアプローチ、特にマインドセットとしてのアプローチを探して見ようと思って、本屋へ行ってみつけたのが、この『「先延ばし」にしない技術』という本。
行動を起こすということ
行動はたいてい単独で起こすのではない、目標に向かって起こすのだ。その目標に向かうために、決心し、実行し、それを維持するという三部構成になっている。そのなかでたくさんの実例や研究を元に様々な技術が紹介される。もし、ビジネス書をたくさん読んでいる方であれば、どれもどこかで見たことがあるのかもしれない。でも、この本はフォーカルポイントと同じで読みやすく、わかりやすく、まとまっている。この点でも、読んでみる価値はあると思う。もし何か一つでも得られる物があれば儲けものだし。
決心はして終わりじゃない
何かをしようと思ったときに人は決心をする。ダイエットをしよう。本をたくさん読もう。英語を勉強しよう。しかし本書は目標をイメージして決心するだけでは、そこに到達することができないという。そこに至るためにプロセスの視覚化の重要性を説く。いわゆる「見える化」。
まず、そこに向かうために乗り越えるために問題を把握する。そして目標と期限を先に決める逆算スケジューリングや最悪のシナリオに備えたPlan Bを常に用意しておくことを教えてくれる。
いつ実行しようか?
決心したのはいいが、いざやろうとするとなかなか実行できないこともある。じゃあ先延ばししないためには、いつやるのがいいのか? 最も良いのは 「今」。そもそも先延ばしがなぜ起きるのか?今やるよりも未来の方が物事を行うのが簡単に感じるから。これを時間不一致現象というらしい。
また、今やることで相手の信頼が得られる。もちろん信頼を得たい相手かどうかは前提にあるが。この今すぐ行動を起こす、行動志向性とは成功者の重要な資質らしい。とりあえず始めると脳の側坐核が興奮してやる気を刺激してくれるというのだ。
ほかにも終了期限だけでなく、いつまでに取り組むのかを決める開始デッドラインという方法もある。人は時間がありすぎても成果を上げることができないみたい。なんとも難儀な生き物である。あっ、自分のことか…。なので、自分で締切を決めて取り組まなければならない。これはドラッカーの言う知的生産者といわれる人たちですね。
タスク管理システムの計画通りできないとき、または思考が妨害してくるときには、「今」やることの重要性を考えて、自分を奮い立たせています。以前ほど厳密にシステムを機能することを意識していませんが、考え方を変えることで、先延ばしは防げています。さらに先延ばしの必要に迫られたときにメンタル面のぶれは減りました。精神衛生の面でも自分に合っているようです。
もっと、もっと遠くへ
決意を新たに、最初の一歩を踏み出した。とりあえず始めたことでも、道を間違えない限りいつかは目標にたどり着くのである。それを維持することができれば。
最後のパートは自分が目標を達成するためのどういう風に考える方に重点を置かれている。「効率」と「効果」の違いや物事が変化し始める臨界点の話など、自分には参考になる内容ばかりだった。
その中に有名なウサギとカメの競争に関する部分があった。足の遅いカメはなぜ自分より圧倒的に速いウサギと競争しようと思ったのか。その差は何だったのか。それはカメはゴールに集中し、ウサギはカメに集中していた。だからカメはゴールに向かってひたすらに進んだ。ウサギはカメとの差ばかりに注目した。そしたら結果的にカメがゴールに旗を立てることになった。それぞれが違うものに注目していたら?もちろん結果は変わっていたはずだ。カメがウサギを意識していたとしたら?
まとめ
ほかにもたくさん参考になることがあった。実験精神や平均の法則など。冒頭でも書いたが、読みやすいので一気に読めるし、タスク管理をしている人で自分と同じように感じている方は参考になることも多いと思う。
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