ノルウェーからの手紙
NHKハイビジョンの未来への提言「犯罪学者 ニルス・クリスティ~囚人にやさしい国からの報告」を見ました。 平和の国と言われた日本でも現在、犯罪者は増え続け、治安は悪化していると言われており、その対応というのは厳罰化という方法を持って行われています。しかし、犯罪件数は歯止めがかかることなく現在も増え続けています。では人口に対する犯罪者の割合が日本と同じ程度であり、さらに最近は減少傾向にあるノルウェーはどのような対策を取っているのか、その中心人物である一人の犯罪学者から学ぶというものです。 内容はすごく興味深いものでした。収容所で囚人にどのような過ごさせるのかなどノルウェーで行われている様々な取り組みが紹介されていました。収容施設で協調や勉強をする機会を与えたり、人として大事なものを得る場として有効活用されているという印象を受けました。たとえば収容施設の中で刑罰に関する討論会が行われていて、そこに法務省の大臣、国会議員、学者、さらに収容者という組み合わせで行われていたり。それが、収容者の尊厳を保ち、犯罪の抑止力になりうるのだとか。 ただそれはあくまで一側面で、すべての犯罪に適応可能なのかという疑問はあります。話の中で少し触れていましたが、性犯罪者の再犯率は高いといわれていますが、そういった対応というのはどうすればできるのか。 あとは、電話での相談窓口や市民による調停委員会が設けてられていました。それは本当に近所のおばちゃんおっちゃんが間に入って、両者の間に入るという、一種のコミュニティができていました。生活単位のコミュニティ持ち、そこから孤立させないというのも非常に重要な要素であると思います。 こういう取り組みを行えるというのは本当にすごいことだと思います。日本では犯罪者を受け入れる場所もほとんどありませんし、知ろうとすることもありません。対策というのは安易な厳罰化という方法しか行っていないように見えます。それでは犯罪件数が減っていないという現状で次にどのような一手を打つのか、そもそもその議論を行う場所すら私たちには見えない位置にあります。社会が根本的に変わらないといけないのでしょうね。